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税理士 奥 山 寛 樹

神奈川県横須賀市の会計事務所ブログ

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雇用保険の加入と保険料控除

◆雇用保険の加入対象者は

 雇用保険の被保険者は、高年齢者、日雇者、短期特例雇用者以外は一般被保険者となりますがその加入要件は次の通りです。
①31日以上引き続き雇用が見込まれる事
②1週間の所定労働時間が20時間以上の事
③雇用開始の日が65歳未満の事
④適用除外の要件に該当しない事
 上記①②の要件を詳しく見てみると下記のようになります。


◆31日以上引き続き雇用の見込みとは

 次のような場合は引き続き雇用が見込まれると判断されます。
ア、期間の定めなく雇用される場合
イ、雇用期間が31日以上ある場合
ウ、雇用契約期間は31日未満だが、契約更新規定がある場合
エ、雇用契約期間は31日未満だがその後31日以上雇用される見込みとなった場合や同様の形態で働く他の者の実態から見て契約更新が見込まれる場合


◆1週間の所定労働時間が20時間以上とは

 雇用保険の加入は雇用契約書の内容が資格取得の条件である週20時間以上の労働時間が無い場合は加入対象者にはなりません。たまたま20時間以上働いたとしても勤務時間の延長とみなされます。週20時間以上勤務が常態か一時的か判断し、一定期間の実態を見て平均して20時間以上になるなら雇用契約を改定し、加入手続きをします。


◆雇用保険料控除について

 雇用保険料は賃金支給総額に雇用保険料率を乗じて計算します。賃金総額とは賃金、手当、賞与、その他名称の如何を問わず労働の対象として支払うすべてのものを言います。
 また、高年齢者(4月1日現在満64歳以上)の方の保険料はその年度の4月より保険料免除になりますが、失業給付や高年齢者雇用継続給付は通常に受給できます。満65歳以上は新たに雇用保険に加入できませんが以前より引き続き加入している場合はそのまま被保険者となります。
 平成24年4月から雇用保険料率が引き下がり一般の事業については事業主負担分は8.5/1000、労働者負担分は5/1000となります。4月分給与から(月末締め翌月払いの場合は5月から)新保険料率が適用されます。





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家族従業員の労災加入

◆家族従業員は労働者か
 家族で商売を行っていて、家族従業員が事業主と同居している場合には、原則として労働基準法の「労働者」ではありませんが、別居している場合は他の従業員と同様の「労働者」として扱うことが出来るとされています。

◆同居の親族が労働者となる場合
 事業主と同居の親族であっても次のような条件をすべて満たせば、労働者として扱われます。
①同居の親族の他に一般従業員がいる事。
②就業実態が事業場における他の従業員と同じである。(例えば一般事務や現場作業などに従事している)給料もこれに応じて払われている事。
③労働時間や休日、休暇の管理や給料の決定計算方法が明確に定められており、その管理が他の従業員と同様になされている事。
④業務を行う上で事業主の指揮命令に従っている事。

◆万一、労災が起こった時は
 家族従業員は労務管理上の問題は起こらないと思いますが同居の親族は原則労災保険の対象者ではないので業務中に事故が起こった時に労災保険が使えるか
どうかという問題が考えられます。そのために家族従業員にも業務災害をカバーする保険をとり入れる必要があるでしょう。
 もちろん過去の申請例では家族従業員全てが労災適用されていないわけではありませんが、適用されなかった事も多く、万一を考え対策をしておきたいものです。

◆家族従業員の業務災害対策
 業務災害に対する備えとしては、働き方を決めておく必要があるでしょう。
①従業員として扱うのであれば、前述のような同居の親族の適用要件を満たすような、労務管理や勤務体系にしておく事。
②従業員扱いであり、他にも従業員がいて、働いている場合で労災保険の特別加入制度に加入して、適用を受ける。
③公的な労災保険の適用は受けないのであれば民間の傷害保険に加入する。この場合特別加入制度の上乗せとして、民間保険加入という方法もあるでしょう。

 いずれにしても事業主は家族である配偶者や後継者となる同居の親族の労災保険をどう取り扱うかを考えておく必要があるでしょう。


健康保険の扶養家族

◆被扶養者の認定範囲

 健康保険では被保険者に扶養されている家族も条件を満たせば保険給付の対象者となります。この家族を被扶養者と言いますが、被扶養者の認定範囲は①被保険者の3親等以内の親族で、②主として被保険者により生計を維持されている事が必要です。
 被保険者と同居(同一世帯)でなくてもよい人は①配偶者(内縁関係含む)、②子、孫、③弟、妹、④父母などの直系尊属同居が条件となる人は
①上記以外の3親等の親族②内縁の配偶者の父母及び子です。

◆被扶養者認定における生計維持と年収要件

 生計維持関係の判断目安となる年収額は、
 ①被保険者と同一世帯にある場合
 年収が130万円未満(対象者が60歳以上又は一定の要件に該当する障害のある方は180万円未満)で、かつ被保険者の年収の2分の1未満である事。但し、2分の1以上であっても年収が130万円未満で被保険者の年収を上回らず、世帯の生活状況から考えて、生計を維持されている事が認められる場合には被扶養者になることが出来ます。

 ②被保険者と別居の場合
 年収が130万円未満(①と括弧内同)で、かつ被保険者からの仕送り等の援助による額より少ない事です。

◆雇用保険の失業給付等の受給

 被扶養者となる人が失業給付等を受給している間は収入があるため被扶養者とはなりませんが、受給期間が終了した時点で被扶養者の認定を受ける事ができます。
但し自己都合退職による離職で3ヶ月間の受給制限期間は被扶養者になることが出来ます。また、失業給付日額が低い時は被扶養者になれる場合もあります。

◆添付書類は
 ①所得に関する証明書(妻については証明を必要とされない場合が多い)
 ②在学証明書(16歳以上の子、孫)
 ③年金額のわかる書類 年金は受給している全ての年金の証明が必要
 ④別居の場合は、仕送り等の事実や金額のわかる書類
 ⑤同居が条件となる被扶養者は住民票等
 健康保険組合によっては確認事項の現況届等の提出を求められるところもありますので各組合にご確認ください。

この勘定科目に、ご注意!

 決算書を拝見していると、最終利益がしっかり出ているにもかかわらず、あまり内容のよくない決算書に出会います。それは、次の勘定科目の残高が多すぎることが原因の場合がありますのでご注意ください。

◆短期貸付金
 小さな会社の場合、社長の生活費と会社のお金が区別されず、ごっちゃになっているということが往々にしてあります。役員報酬で相殺できればいいのですが、生活費として引き出した金額の方が多いという場合、差額が短期貸付金として積み上がってしまいます。役員報酬を引き上げることで徐々に返済できればいいのですが、源泉所得税や社会保険料もそれに応じて増加するため、業績によっては難しい場合があります。融資を受けている銀行からは一番嫌がられる科目でもあります。

◆仮払金
 本来は、既に現金が支払われているが、使途が確定しない場合に使います。
  実際には使ってしまった経費である場合が多いので、すぐに精算すべきですが、決算までに領収書が出てこなかったり、個人的に使ってしまい精算できないといったケースもあります。また、利益を確保するため、今は経費処理せず仮払金に計上して繰り延べる、といったことをすることもありますが、もちろん、その期の費用はその期に計上すべきです。決算書に仮払金が載っていると、杜撰な会社だという印象をもたれることがあります。

◆売掛金
 実際に業績が上がって売掛金が増加するのはいいのですが、そうではない場合、例えば、不良債権の増加や入金遅延が増えたり、また、度が過ぎると粉飾ですが、黒字を確保するため前倒しで売上を計上した、という場合に増加します。総資本回転率が小さくなるので、要注意です。

◆棚卸資産
 売上高が前年に比べて同程度か減少しているのに、棚卸資産が急激に増加している場合、不良在庫が増加したか、利益確保のため棚卸資産を水増し計上した、ということが考えられます。棚卸資産回転率が悪化しますので、注意しましょう。

◆開発費
 新技術の採用のほか営業ルートの開拓などを市場の開拓として、関連諸経費をすべて開発費(繰延資産)に資産計上して利益を捻出している企業もあります。単に経費を繰延べたにすぎず、勘定あって銭足らずの原因のひとつです。

医療と介護の負担軽減

◇高額医療・高額介護合算療養費制度
 同世帯の中で同時期に医療保険や介護保険を支払い、両方を合算した額が一定の基準を超えた場合に自己負担額を軽減する措置が新たに設けられました。

◇支給要件は?
 健康保険の被保険者とその被扶養者が平成20年8月~平成21年7月に支払った医療保険・介護保険の自己負担額(高額療養費及び高額介護サービスの支給額は除く)の合計額基準額を超えた場合に支給されます。
 ①以後、毎年8月~翌年7月までの1年間に支払った医療保険・介護保険の
自己負担額が対象
 ②入院時の食事代、差額ベッド代は対象外
 ③基準額を501円以上超えた時が対象

◇支給される一例と申込方法
 被保険者・被扶養者とも70歳未満で所得が一般の方の場合の例
 一年間で一人が医療保険53万円、もう一人が介護保険で44万円を支払った場合、年間負担額の合計は97万円となり、基準額(67万円)を超えた金額30万円が支給されます。
 支給申請は介護保険(市区町村)の窓口で申請手続きをして介護保険の自己負担額の証明書の交付を受け、これを添付して協会けんぽや健康保険に申請します。
平成20年4月から21年7月までに、現在加入している以外の健保に加入していて、現在の健保に移ってきた方は、以前に加入していた医療保険の窓口への手続きも必要です。

◇基準額 ( )内はH20.4-H21.7の額
70~74歳の方
 ①高齢受給者証の負担割合が「3割」となっている場合 67万円(89万円)
 ②①③④以外の場合 56万円(75万円)
 ③被保険者が市区町村民税非課税の場合 31万円(41万円)
 ④③のうち、被保険者とその被扶養者全員の所得が一定以下の場合 19万円
(25万円)
70歳未満の方
 ①被保険者の標準報酬月額が53万円以上の場合 126万円(168万円)
 ②①③以外の場合 67万円(89万円)
 ③被保険者が市町村民税非課税の場合 34万円(45万円)
        
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