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税理士 奥 山 寛 樹

神奈川県横須賀市の会計事務所ブログ

国税庁が住宅ローン減税の取り扱い変更をアナウンス

 国税庁が「居住用家屋の共有持分を追加取得した場合の住宅借入金等特別控除の取扱いについて」というお知らせを実施しています。これは2月20日付けの国税不服審判所採決を受け、住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)の取り扱いを一部変更するものです。

 住宅を購入するとき、その資金を夫婦や親子で出し合う場合があります。そのような場合、出資金額の比率をそれぞれの共有持分として、購入した住宅を出資者の共有名義にすることが原則になります。住宅が共有名義の場合でも、それぞれの名義で別々に住宅ローンを組んだり、連帯債務により住宅ローンを組んだ場合には、出資者それぞれが住宅ローン減税を受けることが可能です。

 このようなケースにおいて、たとえば離婚による財産分与によってパートナーの共有持分を追加取得した場合、住宅ローン減税は追加取得した共有持分、もしくは従来から保有していた共有持分のどちらかしか受けることができないというのが今までの取り扱いでした。それは、住宅ローン減税は住宅を2つ以上所有している場合、主として居住している住宅1つにしか適用できないとされているためです。

 ところが、今回、国税不服審判所において「共有持分の追加取得は住宅を2つ以上所有している場合には該当しない」という裁決があったことから、この取り扱いが改められ、追加取得した共有持分と従来から保有していた共有持分の両方について、住宅ローン減税を受けることができるようになりました。

 この取り扱いは、既に確定申告書を提出している年分についても、税務署に更正の請求をすることにより所得税額の減額が受けられます。ただし、更正の請求をすることができるのは、取扱いの変更を知った日の翌日から2月以内とされています。

 国税庁では、この取り扱いの変更について、お知らせチラシを税務署窓口で配付するなどして周知に努めています。

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